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未経験から不動産アセマネへ転職!採用担当者が重視する評価ポイントと準備

サマリー

  • 国土交通省の最新調査では、不動産証券化の対象資産は令和7年度末時点で約73.4兆円に達し、10年前の約2.5倍に成長しています。
  • 大手転職エージェントでは、不動産投資・AM分野で「業界未経験歓迎」の求人が170件以上掲載されており、未経験者の門戸は確実に広がっています。
  • 採用担当者が評価するのは、①数字で考える力、②関係者を動かす調整力、③業界への関心、④これまでの経験の活かし方、⑤学び続ける姿勢の5点です。
  • 2026年の不動産投資家調査では93%の投資家が新規投資に積極的と回答しており、金利が上がる局面でも「運用の力」を持つ人材のニーズはさらに高まっています。
  • 宅建や不動産証券化マスターでの基礎固め、数字の実績の棚卸し、求人情報の幅広い収集を組み合わせれば、未経験からでも内定は十分に狙えます。

「不動産アセットマネジメントに挑戦してみたいけれど、未経験の自分でも採用されるだろうか」。そんな思いを抱えている方は少なくありません。専門性の高い仕事というイメージから、最初の一歩をためらってしまうのは自然なことです。

しかし、今は未経験者にとって大きなチャンスの時期です。市場が力強く成長を続ける中で、運用会社は経験者だけでなく、伸びしろのある人材を積極的に迎え入れています。大切なのは、採用担当者が「どこを見ているのか」を知り、そこに向けて準備を重ねることです。

本記事では、国土交通省や不動産証券化協会(ARES)、日本不動産研究所が2026年に公表した最新データをもとに、市場の現状と未経験者の可能性を整理します。そのうえで、採用担当者が評価する5つのポイントと、今日から始められる準備をご紹介します。

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なぜ今、未経験者に不動産アセマネのチャンスが広がっているのか?

結論から言えば、市場の成長スピードが速く、新しい人材を育てて一緒に成長したいと考える企業が増えているためです。不動産ファンドやREITの運用資産が増えるほど、物件ごとに収支を管理し、投資家へ報告するアセットマネージャーが必要になります。

そのため多くの運用会社では、経験者の採用と並行して、不動産仲介やプロパティマネジメント(PM)、金融機関、事業会社の経理・企画職など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を迎え入れ、社内で育てる取り組みを進めています。異なる業界の視点が、物件運用に新しいアイデアをもたらすと期待されているのです。

さらに、新NISAなどをきっかけに個人の資産運用への関心が高まり、REITや不動産クラウドファンディングといった投資商品の裾野も広がっています。投資家の層が厚くなるほど、わかりやすい資料作成や丁寧な説明ができる人材が活躍できる場面も増えていきます。


不動産アセットマネジメント(AM)とは?PM・仲介との違いを1分で理解

不動産AMとは、投資家から預かった資金で取得した不動産を運用し、その価値と収益を最大化する仕事です。物件の取得(アクイジション)、保有期間中の運営(期中管理)、売却(ディスポジション)という一連のサイクルを、投資家の立場から統括します。

PMとの違いは「視点の高さ」にあります。PMが個別物件の入居者対応や建物管理など現場の運営を担うのに対し、AMはポートフォリオ全体の戦略を描き、PM会社や信託銀行、レンダー(金融機関)、会計事務所などと連携しながら運用をリードする司令塔の役割を担います。不動産と金融の両方の知識が身につき、市場価値の高い専門家へと成長できる点が大きな魅力です。


証券化市場は10年で約2.5倍の73.4兆円に成長

AM人材のニーズを裏づけるのが、市場規模の最新データです。国土交通省が2026年に公表した「不動産証券化の実態調査」によると、令和7年度末時点で証券化の対象となった不動産・信託受益権の資産総額は約73.4兆円で、このうちリート等に係る資産は約33.9兆円でした。平成27年度の約29.9兆円と比べると、およそ2.5倍の規模に成長しています。令和7年度にリート等が新たに取得した資産も約2.8兆円にのぼりました。

上場REIT(J-REIT)は2026年に市場創設25周年を迎え、ARESの集計では2026年8月末時点で58銘柄、運用資産は約24.6兆円と前年から約7,500億円増えています。非上場の私募リートも2026年6月末時点で61投資法人、資産総額は約8.1兆円となり、1年前から11.3%拡大しました。運用資産が増えるほど、それを担うアセットマネージャーの活躍の場も広がっていきます。


「業界未経験歓迎」の求人は170件以上!年収の目安は?

未経験者向けの求人も着実に増えています。リクルートエージェントの求人検索では、不動産投資・アセットマネジメント分野で「業界未経験歓迎」とされる求人が170件以上掲載されていました(2026年10月確認)。大手デベロッパー系の投資顧問会社や、ホテル・海外投資家向けの運用会社など、ポテンシャル採用の窓口は多彩です。

給与は月給30万円台から80万円程度の求人が中心で、中には年俸900万円以上を提示する未経験歓迎のポジションも見られます。AMは経験と実績に応じて報酬が伸びやすい職種であり、数年後のキャリアアップまで見据えて挑戦できるのが魅力です。


採用担当者が評価する5つのポイント

未経験者の選考では、即戦力としての実績よりも「入社後にどれだけ伸びるか」が見られています。採用担当者が特に評価するのは次の5点です。

ポイント1:数字で考え、数字で伝えられるか

AMの仕事の中心は、賃料収入から費用を差し引いたNOI(純営業収益)や利回りを管理し、投資家に説明することです。前職で売上分析や予算管理に取り組んだ経験があれば、「どの数字を見て、どう判断し、どんな成果につなげたか」を具体的に伝えましょう。

ポイント2:多くの関係者と協力して物事を進める力

AMはPM会社、信託銀行、レンダー、投資家など多くの関係者と連携します。社内外の調整を通じてプロジェクトを前に進めた経験は、未経験者にとって大きな強みになります。

ポイント3:業界とビジネスへの関心の深さ

「なぜAMに挑戦したいのか」を自分の言葉で語れると、志望度の高さがしっかり伝わります。REITの決算説明資料や運用報告書に目を通し、志望企業の運用方針を把握しておくと、面接での会話も弾みます。

ポイント4:これまでの経験をAMにどう活かせるか

仲介、PM、金融機関の法人営業、信託業務、会計・税務などはAMと親和性の高い経験です。直接の関連がなくても、営業での提案力や企画職での分析力など、共通するスキルを言語化できれば十分なアピールになります。

ポイント5:自ら学び続ける姿勢

法務・会計・税務・ファイナンスと、AMで身につく知識は幅広く、学ぶほど面白さが増す仕事です。資格学習や業界レポートの購読など、すでに学び始めている事実は、何よりの意欲の証明になります。


金利上昇はピンチではなくチャンス?「運用の力」がより評価される時代へ

「金利が上がると不動産市場は冷え込むのでは」と心配する方もいるかもしれません。しかし最新の調査からは、市場の底堅さと前向きな投資姿勢が見えてきます。

日本不動産研究所が2026年5月に公表した「第54回不動産投資家調査」(2026年4月現在)では、今後1年間に新規投資を積極的に行うと答えた投資家が93%にのぼりました。日本銀行の金融政策の変更について「市場への影響はない」と答えた割合も68.2%と前回から上昇しています。丸の内・大手町のAクラスビルの期待利回りは7期連続で横ばいとなり、東京・城南の賃貸住宅(ワンルーム)は3.6%へと低下するなど、投資家の評価は引き続き高い水準にあります。

さらに、海外投資家や公的年金など市場参加者の多様化が、今後の成長要因として期待されています。金利が上がる局面では、賃料の引き上げやバリューアップといった「運用の工夫」で物件の価値を高める力がこれまで以上に重視されます。新しい視点で物件の可能性を見つけられる人材にとって、むしろ活躍のチャンスが広がる時代といえるでしょう。


資格は「合格」より「活かし方」で差がつく!宅建・証券化マスターの賢い使い方

AMに必須の資格はありませんが、資格学習は知識の土台づくりと意欲の証明に大いに役立ちます。

宅建は不動産取引の基礎を幅広く学べる国家資格で、令和7年度は約24.5万人が受験し、45,821人が合格しました。合格率は18.7%と、過去数年で最も高い水準です。多くの人が挑戦している資格だからこそ、取得したうえで「AMの実務にどう活かしたいか」まで語れると、面接での印象がぐっと強まります。

AMにより直結するのが、ARESが認定する不動産証券化マスターです。2026年度のマスター養成講座では、知識編のコース1に受講資格の制限がなく、未経験者でも挑戦できます。コース1で不動産投資や証券化の基礎を学び、コース2で投資分析やファイナンスを演習形式で身につける構成になっており、学習中であることを伝えるだけでも大きなアピールになります。


未経験から内定をつかむ3ステップの準備

ここまでの内容を踏まえ、未経験者が今日から取り組める準備を3つのステップに整理します。

ステップ1:知識の土台をつくる(1〜3か月)

宅建や不動産証券化マスターの学習を始め、あわせてJ-REITの決算説明資料を数社分読み比べてみましょう。NOI、キャップレート、LTVといった基本用語を自分の言葉で説明できるようになれば、面接への自信につながります。

ステップ2:「数字の実績」を棚卸しする

前職での予算管理、売上改善、コスト削減などの成果を、具体的な数値とともに整理します。Excelで簡単な物件収支シミュレーションを作ってみると、AMの仕事のイメージがつかめ、面接での説得力も格段に高まります。

ステップ3:求人情報を幅広く集める

未経験歓迎の求人は、公開求人に加えて非公開で募集されるケースも多くあります。AMの未経験枠に加え、PMや運用会社のアシスタント職など、さまざまな入口を視野に入れると選択肢が広がります。不動産・金融業界に精通した転職エージェントを活用すれば、企業ごとの選考のポイントも事前に把握できます。


Q&A:未経験から不動産アセマネへの転職でよくある質問

Q1. 未経験でも不動産アセットマネジメントに転職できますか?

  1. はい、十分に可能です。大手転職エージェントでも「業界未経験歓迎」のAM関連求人が170件以上掲載されています。前職で培った数値分析力や調整力を、AMの業務と結びつけて伝えることが内定への近道です。

Q2. 未経験から転職した場合の年収はどのくらいですか?

  1. 未経験歓迎の求人では、月給30万円台から80万円程度が中心です。年俸900万円以上を提示する求人もあり、経験を積むほど報酬が伸びやすい点もAMの魅力です。

Q3. 転職前に取っておくべき資格はありますか?

  1. 必須の資格はありませんが、宅建は不動産の基礎知識の証明として、不動産証券化マスターはAMに直結する専門知識の証明として評価されやすい資格です。取得前でも、学習中であることを伝えるだけで前向きな意欲が伝わります。

まとめ

  • 不動産証券化市場は約73.4兆円まで成長し、AM人材のニーズは高く、未経験者にも大きなチャンスがあります。
  • 「業界未経験歓迎」の求人は170件以上あり、経験を積むほど年収アップも期待できる職種です。
  • 採用担当者は「数字で考える力」「調整力」「業界への関心」「経験の活かし方」「学ぶ姿勢」の5点を評価しています。
  • 93%の投資家が新規投資に積極的で、金利上昇局面では「運用の力」を持つ人材がより一層評価されます。
  • 資格学習・実績の棚卸し・幅広い求人情報の収集を組み合わせれば、未経験からでも内定は十分に狙えます。

 

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監修者

bloom株式会社 最高執行役社長 (COO) 小田村 郷

慶應義塾大学を卒業後、三井不動産リアルティ株式会社に入社し、不動産仲介(リテール・法人)の第一線で実務経験を積む。

その後、トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社に移籍。不動産ファンドのアセットマネジメント(AM)業務を専門に担当し、投資家サイドの高度な専門知識を習得する。

独立後、bloom株式会社に参画。最高執行役社長として、不動産仲介からアセットマネジメントまで、不動産業界の川上から川下までを熟知したプロフェッショナルとして事業全体を牽引している。