コンサルタントが必ず一回は読んだ本!5選

コンサルタントの人たちって自宅にもたくさん本がおいてあるイメージってないでしょうか?
なんならデスクにも大量の書籍が山積みです。

コンサルタントの人たちは新しい業界のプロジェクトに参画するときに、猛烈なスピードで業界キャッチアップする必要があるので、
たくさん本を読んでたくさん知識を蓄積しています。
そしてその素地としてコンサルタントは自身の基礎スキルを高めていくために読んだ本があります。

以下は、私自身がコンサルタントとしてキャリアを歩む中で、「これは読んでおいて損はない」と強く感じた5冊を選出してみました。
これからコンサルタントを目指す方はもちろん、すでに現場で活躍されている方にとっても

「そうそう、これ読んだよね」

「確かにこういうところで役に立つんだよな」

と共感していただける内容だと思います。
ぜひ、これらの名著を手に取ってみてください。


1. 『競争の戦略』 マイケル・E・ポーター

まず外せないのが、マイケル・E・ポーターの『競争の戦略』。コンサルに少しでも携わったことがある人なら、一度は名前を耳にしたことがあるはずです。
(あまりにも有名なので、読んでないと「もぐり」と思われます)
「業界構造を分析し、どこで競争優位を築くかを考える」という視点は、クライアント企業のポジショニングを定める際に非常に重要です。
私も、新規事業の戦略策定プロジェクトや、既存事業の再構築案件に取り組むときには、
ポーターのフレームワークに立ち返って「そもそも、ここで本当に戦う意味はあるのか?」と問い直すことがあります。

ポイント

  • 「5つの競争要因モデル」など、多くのクライアントの現場で共有言語として使われやすいフレームワークを学ぶことが出来る。
  • 戦略の概念を押さえておくだけで、提案に一貫性と説得力が生まれる。

2. 『企業参謀』 大前研一

日本のコンサルティングの草分け的存在である大前研一氏の著作は、一度読めば「コンサルタントってこういう視点で考えるんだな」と腹落ちする内容が詰まっています。
印象的なのは、大前氏の思考プロセスそのものに触れられる点。単なる経営理論ではなく、実際に数々の企業改革に携わってきた生々しい経験が散りばめられているため、実務での具体的な使いどころが見えてきます。日本企業特有の組織構造や文化を踏まえたケースが多いため、国内のクライアントを相手にするときには特に参考になるはずです。

ポイント

  • 直面する経営課題を「どうやって分解し、解決策を組み立てるのか」が実例を通して学べる。
  • 仮説思考を身につける入り口としても優秀。スピードが求められるコンサル現場には必須の考え方。

3. 『イシューからはじめよ』 安宅和人

コンサルタントになると

「論点は?」

とよく聞かれます。
コンサルをするというのは即ち問題解決をすることであり、そもそもの問題を正しく定義することが非常に重要になります。
これが「論点整理」です。
論点整理はコンサルタントに限らず、非常に重要でありますが、スキルが必要なものです。
ビジネスのあらゆる場面で「いま本当に解決しなければならないのは何か?」「この論点ですべてだしきったか?」という視点を持つのは簡単そうで、実は難しい。
安宅和人氏は元マッキンゼー出身ですが、その実務経験に根差したノウハウが凝縮されているのが本書です。
データや情報があふれる時代ほど、「やるべきことを正しく絞り込む」能力はコンサルタントにとって最重要。
読後は「何がイシューか」をまず最初に考える習慣が身に付くので、無駄な会議や意味のない議論に時間を割かなくなり、生産性が飛躍的に上がります。
ポイント

  • 情報過多の中でも、本質的課題を見極め、そこに集中するための具体的なステップが学べる。
  • コンサル業務でありがちな「分析ばかりして結論が遅れる」事態を防ぐ手助けになる。

4. 『ロジカル・シンキング』 照屋華子

「思考を構造化するスキル」と「それを分かりやすく伝えるスキル」は、コンサルタントにとって二本柱と言っても過言ではありません。
ロジカルシンキングの基礎を身につける入門書として多くの人に愛されているのが、照屋華子氏のこの一冊。
プレゼン資料を作るとき、クライアントに現状を説明するとき、社内でコンセンサスを取るとき……と、あらゆる場面で必要になります。
私自身、若手のころはよくこの本を手元において「どうやってMECEに整理したらいいんだろう?」と迷ったときの指針にしていました。
(事実、アナリスト時代に「ロジックがないねぇ」と上司に何度も指摘されましたが、その時に再度手に取ったのが本書でした…)

ポイント

  • MECEやロジックツリーなど、コンサル現場の“伝家の宝刀”の基礎を学べる。
  • 複数の情報を整理して短時間で提案書を作る際に、読み返すとヒントを得られる。

5. 『考える技術・書く技術』 バーバラ・ミント

ロジカル・シンキングを学んだら、次は「どう文章に落とし込むか?」というステージに移っていきます。その最良の教材が、バーバラ・ミントによる名著。
コンサルタントといえば「スライドづくりのプロ」というイメージもありますが、最終的にクライアントが目にするのは文字情報の集合体です。
ピラミッドストラクチャを意識して書くだけで、読み手が受け取る情報の吸収率は格段に上がります。たとえ内容が複雑でも、相手を説得する力が高まるのを実感するはずです。

ポイント

  • ピラミッド構造を使いこなせるようになると、どんなに込み入った話でも「要は何が言いたいのか?」を瞬時に把握・伝達できる。
  • 提案書からクライアント向けメールまで、あらゆる文章の完成度がワンランクアップする。

おわりに

コンサルタントとしての武器は、一朝一夕に手に入るものではありません。だからこそ、先人たちが残してくれた良書を通じて「思考の型」を学び、自分の視野を広げることが大切です。
私自身も、迷いや壁にぶつかったときは、これらの本を読み返すことがあります。「そうそう、ここから考え直せばいいんだった」と思い出すきっかけになるからです。
もし、これからコンサル業界に飛び込もうとしている方がいれば、まずはこの5冊をじっくり読んでみてください。そして現役コンサルタントの方も、今一度手に取り、過去の付箋を開きながら「あのときはこういう場面で役に立ったな」と振り返ってみるのもいいでしょう。読書を通じて得た知恵は、必ずやクライアントの成功とご自身の成長につながっていきます。

少しでも参考になれば幸いです。コンサルタントの世界はとても刺激的で、やりがいに満ちています。これらの名著を味方に、あなたのキャリアがさらに豊かなものになることを願っています。