コンサルティングファームの面接官が何を見ているか?「頭がいい」だけでは受からない!それよりも重要なのは…?ノウハウ伝授!

今回はコンサルファームへの転職を考える方向けに、

「ファームの面接官は求職者の何を見ているのか?」

について書いていこうと思います。

面接官がどんな方がいるのかという情報に加えて、自分自身の強みをどのように打ち出していくのか、を紹介していきます。

またそれらが「なぜ」重要視されるのかも説明していきます。


1.ファームの面接官の種類はどんな人がいるのか

 

コンサルファームで面接に出てくる人には大きく二つの属性を持った方が面接に登場します。

①採用ミッションを持っている方:組織長クラス、パートナー、シニアマネージャー、人事・HR責任者 等

②採用ミッションを持っていない方:マネージャー、シニアコンサルタント 等

 

①の人たちというのは、自分たちで採用の数字を追っています。

コンサルティングファームではパートナークラスが採用数字を持っているケースがあります。

勿論、採用チームを独自で構えている会社もありますが、

多くの会社では「パートナーが絶対」であることが多いです。

採用チームはあくまで段取りをする人でパートナーの人が結局数字ミッションを追っています。

この人たちは自分のチームを大きくするために採用ミッションを追っていますので、

一定の採用レベルの品質を保ちつつ、採用人数を追い回すという経営者というイメージですので、すなわち「決定権者」といっていいでしょう。

ただ、ベイカレントをはじめとした一部のファームでは採用チームが独自で数字を強烈に追っているファームもあります。

決定権を持っている人が誰なのか、エージェントなどに確認をしてみるとよいかと思います。

 

②の人たちは、「先輩のパートナーにお願いされたから」「採用への貢献度が社内で評価になるから」という理由で面接に登場しています。

自身での採用人数ミッションを追っていないので、やや保守的に選考を見る傾向があるかもしれません。

ただし、コンサルティングファームといえど、社内の人間関係は大事です。

お願いしているパートナーは面接官の大事な先輩ですので、

数字を追っているパートナーからすると「良いところを見出して通してくれる」後輩は可愛いものです。

そういう意味で、良いところを見出し、なるだけ通したいと思っている面接官が多いのです。

(勿論、全然ダメな人を通してしまうとパートナーの大事な工数を奪ってしまうので、誰でも通すという事はないです)


2.何を見ているのか?面接上のノウハウは?

 

1.で説明をしたようにコンサルティングファームの面接官というのは、

「なるべく採用したい」と思っている節が強いのです。

これは現在、コンサルティング業界がかなり伸びている業界であり、

それに必要な人材採用を強烈に進めているという背景があるからともいえます。

この前提を認識したうえで、どの観点をファームの面接官がチェックしているのかを下記で見ていきましょう。


2-1.見た目

 

『高級感、清潔感があるな』

 

コンサルティングファームは高額なサービスを提供しています。

またクライアントのレベルも高く、大手企業における部長以上等です。

そうなった場合に、コンサルタントが「高級感があるのか」はチェックしています。

高いスーツを着ればいいというわけではないですが、

自分の身体に合った服をまとい、清潔感のある髪型等に整えるというのは意外に重要です。

皆様よくご存じの通り、メラビアンの法則において、

「視覚情報が55%」です。


2-2.コミュニケーション能力

 

『話が分かる人間か?正しく伝えることが出来る人間か?』

 

コンサルタントはクライアントと密に連携し、提案や結果を効果的に伝える必要があります。

「わかりやすく伝えることができるか?」はもちろん、

「話を理解しているのか?」も大事な観点です。面接では、明確で説得力あるコミュニケーションができるかどうかに注意しましょう。

知識が豊富にあるよりも話が分かりやすい方が重要です。(思考が整理されているとわかりやすいコミュニケーションにもなりやすいです

またそもそもですが、質問に対する回答をダイレクトにするようにしましょう。

ダイレクトな回答というのは


2-3.論理的思考

 

『話とんじゃってない?』

 

コンサルティング業界では、問題解決や意思決定のための論理的思考能力が非常に重要です。

面接では、複雑な問題に対する分析能力や、それを論理的に整理して解決策を提示できるかどうかが評価されます。

その際にケース面接というファーム独自の問題が出されることもありますが、

論理的思考力を見ているのはこの時ばかりではありません。

これまでの決断をした時にどのような理由で決断したのか、そこに整合性はあるのか、等も見られています。

これがずれたり、あることないこと言っていると「話がとんでるな(論理破綻してるな)」と思われてしまいます。

自分の体験も、因果関係がわかるように話せるようにしておきましょう。


2-4.素直さ

 

『頑固者だなあ…』

 

コンサルティングファームが提供するサービスは問題解決という「ふんわり」した概念です。

その分、その人の根本的なスキル(前述したコミュニケーション能力、論理的思考力、等)がクライアントからも、上司からも見られます。

「日本語がわかりにくいね」

「論理破綻しているね」

などなどの指摘が毎日飛んできます。

 

そのようなことはあまり今まで言われたことがないことかもしれないですし、

自分が否定されたような気になっていい気分ではありません。

ですが、それがコンサルタントとしての成否を分けます。

そこでプライドや頑固さが出てしまって改善できないようでは、

良いコンサルタントにはなれません。

素直に指摘を聞くことのできる清らかな心を持ちましょう。


3.ケース面接とは?

 

コンサルティングファームを志望する際、多くの候補者は「ケース面接」という壁に直面します。

この特異な面接形式はコンサルティングファームが採用プロセスで広く採用しているものであり、

応募者のコンサルティングスキルの基礎能力を評価するためにデザインされています。

ここでは、ケース面接がどのようなものか、その目的や評価ポイント、そして準備のための効果的な対策について詳しく解説します。


3-1.そもそもケース面接とはどのようなものか?

ケース面接は、応募者にビジネスにおける実際のシナリオを提供し、その問題を解決するプロセスを問う形式の面接です。

多くの場合、面接官から口頭で基礎情報や課題が提示され、それに基づいて応募者が分析し、戦略を組み立てることを求められます。

下記は大まかな進め方の流れになります。3~5についてはシンキングタイムを設けられてその時間内に検討することになります。

  1. 問題の提示:面接官がメインの問題を簡潔に説明します。
  2. 前提の確認:応募者は不明な点があれば質問し、問題の理解を確認します。問を正確に把握することが大切です。問題を間違えてしまってはどんなに思考が深くても意味がありません。
  3. 課題の特定:一般的なフレームワークを使い、問題を細分化して分析の道筋を決めます。
  4. 分析:提示されたデータを元に、具体的な数値評価や推論を行います。
  5. 解決策の立案:分析から得られた洞察を基に、解決策を提案します。
  6. プレゼンテーション:解決策を論理的に面接官にプレゼンします。

このプロセスを通じて、応募者がいかにして現実のビジネス問題に取り組むのか、その思考過程とアプローチを理解できます。

ケース面接の主な目的は、応募者の思考力と問題解決能力を評価することです。

コンサルティングファームは、複雑で多岐にわたるビジネスの課題を解決する能力を持つ人材を求めており、

クライアントのニーズを的確に把握し、的確な解を提供できるかを確かめるために設定されています。

ただし面接時点ですべてができる必要はありません、そのような人材になりうるポテンシャルがあるのかを見られています。


3-2.どのような観点を評価されているか?

ケース面接では、以下の観点が主に評価されます:

  • 論理的思考:どのように問題を分析し系統立てた方法でアプローチするかを見ます。思考過程がクリアで組織化されていることが重要です。
  • 分析力:データを細かく分析し、有効なインサイトを引き出す能力。数字や事実を基にした結論を導く力が求められます。
  • コミュニケーション力:アイデアや解決策を他者に効果的に伝える力。プレゼンテーションの明瞭さや説得力も評価に含まれます。
  • 柔軟性と創造性:一つの解決策に固執せず、多角的な視点で問題を考察し、新しい解決策を見つける能力。
  • プレッシャーへの対応力:限られた時間の中で正確な判断を下す力。ストレス状況での反応を見られます。

3-3.取るべき対策はどのようなものか?

ケース面接を突破するための対策としてはかきのようなものを準備するとよいかと思います。

  • フレームワークの勉強:3C、4P、SWOT分析などのフレームワークに加えて、ビジネスとしての基礎である概念(利益=売上-コスト等)を理解し、柔軟に適用する練習を積む。
  • シミュレーション練習:ケース面接練習本やオンラインプラットフォームを活用し、多様なケースに触れる。
  • 論理的思考のトレーニング:課題を体系的に分析し、主要な問題へと絞り込むスキルを磨く。
  • フィードバックを活用する:模擬面接で他者からの意見を受け入れ、自分の改善点を見つけ出す。

特に実践的な準備を積むことで、ケース面接をうまく乗り越えることが可能になります。

特にフレームワークの勉強についてはそれ自体をおぼえるだけでは意味がなく、使える状態でなければいけません。

逆にいうと3Cだの、4Pだのをおぼえるよりも、

売上項目を分解する練習や、利益構造を把握する練習などの方が効果的といえます。

これらは事業領域によっても変わってくるので、いろいろな企業を例にとり、その戦略や事業構造を想像するような練習をするとよいです。


面接官がどんな観点を気にしているのかを書いてみました、

月並みではありますが面接時に参考にしていただければと思います。