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金利ある世界での不動産ファンド戦略!2026年の市場変化に対応できる人材の共通点

サマリー

・ 2025年12月、日銀は政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げ、1995年以来およそ30年ぶりの水準に達しました。

・ J-REIT全体の借入金は11兆円を超え、固定金利での調達比率は約80〜90%と高く、金利上昇の影響は限定的だとする見方が有力です。

・ 私募REIT市場は2026年6月末時点で資産総額8兆665億円、前年同期比11.3%増と拡大を続ける一方、直近3か月の伸びは1.2%に鈍化しています。

・ 「金利ある世界」で評価される人材は、不動産知識と金融知識(DCF分析・IRR計算など)を併せ持ち、資金調達戦略まで語れる人です。

・ 不動産ファンド業界の年収水準は今も高く、20代アソシエイトで約1,000万円、30代のVP・ディレクター層では2,000万〜3,000万円が目安とされています。

「このまま今の会社にいて、将来も年収を上げていけるだろうか」「金利が上がる中で、不動産ファンド業界は今後も成長していくのだろうか」。長く続いた低金利・ゼロ金利の前提が崩れつつある今、そんな不安を抱く不動産・金融業界の転職検討者は少なくありません。日銀の追加利上げが続く「金利ある世界」は、不動産ファンドのビジネスモデルにも、そこで働く人材に求められるスキルにも、静かだが確実な変化をもたらしています。本記事では、最新の市場データと転職市場の動向をもとに、金利上昇局面でも評価される人材の共通点を整理します。
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「金利のある世界」到来で不動産ファンド業界に何が起きているのか

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを進めてきました。2025年12月の金融政策決定会合では政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げ、これは1995年以来およそ30年ぶりの水準となります。2026年3月の会合では、中東情勢の緊迫によるエネルギー価格高騰の影響を見極めるとして政策金利は0.75%に据え置かれましたが、日銀は経済・物価情勢が改善すれば追加利上げを継続する姿勢を示しています。

長らく「ほぼゼロ金利」を前提に組み立てられてきた不動産ファンドの投資モデルは、この転換によって見直しを迫られています。資金調達コストの上昇はもちろん、キャップレート(還元利回り)の変動や物件価格の見直しにもつながりうる変化であり、業界で働く人材にとっても「今のスキルセットのままで通用するのか」という問いを突きつける局面といえるでしょう。


政策金利0.75%時代の不動産ファンド市場をデータで見る

まず押さえておきたいのは、金利上昇がJ-REITや私募ファンドの財務にどの程度の影響を与えるかという点です。J-REIT全体の借入金は11兆円を超えていますが、固定金利での調達比率は銘柄全体の中央値でおよそ80〜90%と高い水準にあります。また借入金の平均調達期間はおよそ7年強とされ、5年以内に借り換えが発生する割合は全体の1割強にとどまります。金利上昇の影響は一部の借り換えタイミングに集中する構造であり、財務基盤の強い運用会社ほど影響を抑えやすいということです。

私募REIT市場に目を向けると、不動産証券化協会(ARES)の集計によれば2026年6月末時点で61投資法人、2,244物件、資産総額は8兆665億円に達し、前年同期比では11.3%の増加となっています。ただし直近3か月間の資産総額の伸びは1.2%にとどまり、2026年3月末時点の前四半期比4.5%増と比べると拡大ペースはやや鈍化しています。市場全体が縮小に転じたわけではないものの、AUM(運用資産残高)の伸び方だけで運用環境の良し悪しを判断しづらくなっている点は、業界で働く人材も理解しておくべき変化です。


求人市場は依然堅調?AM・アクイジション求人の最新動向

市場環境が変化する一方で、不動産ファンド関連の求人は引き続き活発です。アセットマネジメント(AM)やアクイジション業務では、私募ファンドやJ-REITの運用を担う人材の中途採用が各社で進んでおり、未経験者を対象としたポテンシャル採用の求人も一定数見られます。年収水準も高く、外資系ファンドの20代アソシエイトで約1,000万円、日系を含む30代のVP・ディレクター層では2,000万〜3,000万円程度が目安とされており、金利環境の変化下でも専門人材への需要自体は底堅いといえるでしょう。


「金利上昇=不動産ファンドに逆風」は本当か?見落とされがちな誤解

「金利が上がれば不動産投資は縮小し、業界の求人も減るはずだ」というイメージを持つ方は少なくありません。しかし実際のデータを見る限り、この見立ては単純化しすぎています。固定金利比率の高さや借入期間の長期化によって、金利上昇の影響は多くの運用会社にとって一時的・部分的なものにとどまっており、私募REIT市場も前年同期比では二桁増と拡大基調を維持しています。「金利上昇=業界全体の逆風」という単純な図式ではなく、財務戦略の巧拙によって明暗が分かれる局面に入った、というのがより実態に近い見方です。

順風満帆に見えて、実は「金融知識の壁」がある

その一方で、順風満帆に見える不動産ファンド業界にも、転職を検討する人にとっての壁があります。それが金融知識の壁です。不動産ファンドは不動産と金融の両方にまたがる業界であり、DCF分析やキャッシュフローモデリング、IRR計算といったファイナンススキル、さらには資金調達(デット・エクイティ)の仕組みへの理解が求められます。不動産業界出身者であっても、この金融面の素養が不足していると評価されにくく、逆に金融業界出身者であっても、不動産特有のアセットタイプやファンド組成の知識を新たに習得する必要があります。金利ある世界では、この「金融×不動産」の両輪をどこまで自分の言葉で語れるかが、評価を分ける壁になっているのです。


金利ある世界を勝ち抜くために今すぐ取るべき3つのアクション

こうした環境変化を踏まえると、不動産ファンド業界で評価される人材になるためには、次の3つの行動が有効です。第一に、DCF分析やIRR計算などの財務スキルを、実務レベルで説明できるように整理し直すこと。第二に、宅地建物取引士や不動産証券化協会認定マスター、CFAといった資格取得を通じて、金融・不動産双方の専門性を客観的に示すこと。第三に、非公開求人を多く扱う不動産・金融専門の転職エージェントを活用し、自分の経験がどのポジションで評価されやすいかを客観的に棚卸しすることです。金利環境がどう動いても、「不動産×金融」の両方を理解し、資金調達戦略まで踏み込んで語れる人材への需要は、今後も高い水準で続くと考えられます。


不動産ファンドへの転職に関するよくある質問

未経験でも不動産ファンドに転職できますか?

不動産業界・金融業界のいずれかでの実務経験があれば、未経験からの転職も可能です。不動産業界出身であれば仲介やプロパティマネジメントの経験、金融業界出身であれば法人融資や資産運用、証券業務の経験が評価される傾向にあります。ただし基本的な財務知識やファンドの仕組みについては、転職後も継続的な学習が必要になります。

不動産ファンドの年収はどのくらいですか?

ポジションや運用会社の系統(外資系・日系)によって幅がありますが、20代のアソシエイト層で約1,000万円、30代のVP・ディレクター層では2,000万〜3,000万円程度が一つの目安とされています。未経験からのポテンシャル採用の場合は、500万〜1,000万円程度のレンジから始まるケースもあります。

金利上昇局面でも不動産ファンドへの転職はねらい目ですか?

私募REIT市場の資産総額は前年同期比で二桁増を維持しており、AM・アクイジション職を中心に求人自体は堅調です。一方で、金利環境の変化を踏まえた資金調達戦略やリスク管理への理解を持つ人材への需要は高まっており、財務・金融知識を強化したうえで転職活動に臨むことが、これまで以上に重要になっています。


まとめ

・ 日銀は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ、約30年ぶりの水準に達しました。

・ J-REITは固定金利比率が高く、金利上昇の影響は財務戦略次第で限定的にとどまる運用会社が多いといえます。

・ 私募REIT市場は前年同期比11.3%増と拡大基調を維持しつつ、直近の伸びはやや鈍化しています。

・ 評価される人材は「不動産×金融」の両輪を理解し、資金調達戦略まで語れる人です。

・ 財務スキルの言語化・資格取得・専門エージェントの活用が、金利ある世界で評価されるための近道です。


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参考URL

・ 【2026年版】不動産投資トレンド|金利上昇・インフレ時代に選ばれる戦略とは – SpaceCore

・ 【2026年最新】不動産投資ローンの金利相場は?過去の推移や銀行の選び方も | INVASE

・ 2026年不動産市場はどうなる?金利上昇・政権交代・税制改正の影響は | さくら事務所

・ 2025年の日本不動産投資市場動向の展望と2024年の振り返り | JLL

・ 私募REIT市場の最新動向|金利上昇局面の再編と運用会社の競争力 | コトラ

・ 変動・短期化で金利上昇の影響を回避するJ-REIT | マネクリ マネックス証券

・ 国内金利上昇がJ-REITに与える影響が軽微と言える理由とは | マネクリ マネックス証券

・ 不動産ファンドへの転職は未経験でも可能?最新求人や転職市場動向を解説 | JAC Recruitment

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・ 不動産金融で求められる人物像:不動産金融への転職×仕事 | アンテロープ

監修者

bloom株式会社 最高執行役社長 (COO) 小田村 郷

慶應義塾大学を卒業後、三井不動産リアルティ株式会社に入社し、不動産仲介(リテール・法人)の第一線で実務経験を積む。

その後、トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社に移籍。不動産ファンドのアセットマネジメント(AM)業務を専門に担当し、投資家サイドの高度な専門知識を習得する。

独立後、bloom株式会社に参画。最高執行役社長として、不動産仲介からアセットマネジメントまで、不動産業界の川上から川下までを熟知したプロフェッショナルとして事業全体を牽引している。