1.そもそも不動産プロパティマネジメント(PM)とは
不動産PMとは一棟物件のソフト面(テナントとのリレーション等)とハード面(建物管理)を管理するお仕事です。不動産一棟の収益UPに向け、不動産AMと協力しながらテナントとの賃料交渉をしたり、建物一棟のバリューアップ(エントランス改修等)を行ったりすることで、不動産価値向上を目指します。
特にリーシング(空室になった際に高い賃料で埋め戻すことが必要)、BM管理(法定点検の是正事項が改善されてビルとしての運営が問題ないか等)、修繕対応(ちょっとした小修繕から外壁改修などの大規模修繕までを見る)、テナント対応(クレーム対応や契約更新のタイミングでの賃料交渉)が大切なポイントとなっております。
2.不動産アセットマネジメント(AM)と不動産プロパティマネジメント(PM)の共通項、親和性
不動産AMとPMには共通項があります。不動産AMの役割別に解説いたします。
不動産AMの仕事内容については以下記事をご参考ください。
https://bloom-job.com/assetcareer-fudousanamtoha/
・不動産アセットマネジメント(AMアクイジション)の場合
不動産を取得する時には、物件の収支をまず見極めます。その際に収支の収入項目では不動産PM時代のリーシングの経験が活きてくることになります。また、費用面についてはPMフィーやBMフィーが適正かどうかも見極めることができます。また、CAPEX(資本的支出)による大規模修繕のコストをどの程度見込めばいいかの感覚もCM(コンストラクションマネジメント)の経験から活きてきます。
・不動産アセットマネジメント(AM期中運用)の場合
不動産AMの期中担当と一番親和性が高いと思われる仕事が不動産PMかと思います。不動産AMの仕事の中で一番大切なことがPMコントロールです。PMのモチベーションを管理して、以下にその物件から収益が上がるように共同して不動産投資事業を推進していくかが、不動産からの収益を最大化させます。そのPMとしての実務・気持ちがわかる方が実際に不動産AMになった際は、PMのモチベーションを考えながら指示を出したりすることができるため非常に親和性が高いです。
3.不動産アセットマネジメント未経験からの転職の際にどのような不動産PM経験をしているとよいか
以下3点が不動産PM経験の中で、AMへ転職する際の注意点です
1.不動産の現物をやっているPMか、信託受益権・ファンド系をやっているPMか。ファンドスキームに慣れているPMの方が、不動産の現物のみで管理をしているPMよりは不動産AMへの親和性は高いです
2.アセットタイプ(レジ、オフィス、商業、ホテル、物流、ヘルスケア等)もPMとして極力色々経験した方がAM会社の選択肢も広がります。
3.幅広い業務(LM、BM、CM含む)を経験できる会社の方が縦割りの会社よりも経験値が増し、より仕事の範囲が広い不動産AMへの適正があります
4.不動産アセットマネジメント未経験からの転職の企業選択のポイント
1.外資系AMよりも国内系AMの方が英語スキルも求められるため未経験の場合は受かりやすいです。
2.国内系AM会社にも母体が金融機関系か不動産系かに分かれますが、不動産系の方が不動産の物回りの経験がより活かせるため受かりやすいです
3.少数精鋭のブティックAM会社(5-10名程度)の会社ではそもそも教育体制もまだ整っていないところも多分にあるため未経験からは不向きかと思います